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故国の滅亡を伍子胥は生きてみれませんでしたが、私たちは生きてこの魔境カルト日本の滅亡を見ます。
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守屋洋訳 諸葛孔明の兵法 {徳間書店} より 

{将誡}

将帥の心得 

「書経」に
「君子をあなどれば、その心をとらえることができない。小人をあなどれば、その力を尽くさせることができない」
とあるが、将帥の心得の条も、このことばから導き出すことができる。
 将帥たる者は、なによりもまず兵卒の心をつかみ、賞罰のけじめを厳しくし、文武の道を兼ね備え、剛柔の術を会得し、礼・楽・詩・書といった教養科目に親しみ、智・勇よりも仁・義を優先させねばならない。
 用兵にさいしては、軍を休めるときは岩かげにひそむ魚のように息を殺しているが、いったん動き出せば、獲物をねらうかわうそのように襲い、旗指物で勢威を示し、金鼓による号令のもと、敵を捕捉殲滅する。
 後退するときは山が動くように整然と行動し、敵につけ入るすきを与えない。進撃するときは疾風のごとく、敗走する敵を追撃するときは迅雷のごとく、敵と矛を交えるときは猛虎のごとく行動する。
強力な敵に対しては、ときに「詭道」を用いることも辞さない。敵がひた押しにしてくれば、あえて後退する。低姿勢に出て油断させ、有利とみせて誘い出し、混乱させて撃破する。団結が堅ければ離間をはかり、強大であれば弱体化させる。
 味方の将兵に対しても、きめこまやかな配慮を怠ってはならない。危険にさらされている者には、救援を保証し、びくついている者には士気を鼓舞してやる。反乱の恐れのある者は巧みに手なずけ、冤罪を主張する者には無実の罪をはらしてやる。血気にはやる者は手綱を引き締め、女々しい者には勇気を奮い起こさせる。すぐれた計謀の持主は側近に登用し、讒言をこととするやからは追放する。また財をほしがる者には惜しまず与える。
 さらにつぎのことも銘記しておかなければならない。
  1. 相手が弱敵でも、嵩にかかって攻めたててはならない。
  2. 味方の強大をたのんで、敵をなめてかかってはならない。
  3. おのれの才能を鼻にかけて、威張りちらしてはならない。
  4. 君主の寵をたのんで、尊大な態度をとってはならない。
  5. まず万全の作戦計画を定めてから軍を動員し、勝つ見通しがついたところで作戦行動を開始する。
  6. 敵の財宝・子女を手に入れても、ひとり占めをしてはいけない。
 将帥がこのような心構えで部下に臨めば、部下は進んで戦場に赴き、いざ合戦となっても、勇んで戦うものだ。
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守屋洋訳 諸葛孔明の兵法 {徳間書店} より  

{不陣}

よく敗るる者は滅びず

 むかしから、立派な政治を行った君主は、軍隊にたよらなかった。軍事指導にすぐれら君主は軍事行動を起こさなかった。用兵に巧みな君主は、あえて戦闘を交えなかった。戦闘指揮にすぐれた君主は、敗れることはなかった。負け方のうまい君主は、国を滅ぼさなかった。
 例をあげよう。
 むかし聖人と称された君主は、ひたすら人民の生活安定につとめ、生涯、軍隊に頼らなかった。立派な政治を行なった君主は軍隊にたよらなかったとは、これをいうのである。
 聖天子の舜が刑典を発布し、皋陶{コウヨウ}が裁判官となってからは、法令違反を犯す者がいなくなり、したがって刑罰を科すまでもなく天下が平和に治まった。軍事指導にすぐれた君主は軍事行動を起こさなかったとは、これをいうのである。
 禹が有苗を討ったとき、舜が干羽{かんう}を舞っただけで、有苗の民びとは帰順した。用兵に巧みな君主はあえて戦闘を交えなかったとは、これをいうのである。
 斉の桓公は南は強国の楚を討ち、北は山戎を服属せしめた。戦闘指揮にすぐれた君主は敗れることがないとは、これをいうのである。
 楚の昭王は呉に攻めたてられて、秦にのがれたが、秦の援軍をとりつけて国に帰国することができた。負け方のうまい君主は国を滅ぼさないとは、これをいうのである。
守屋洋訳 諸葛孔明の兵法 {徳間書店} より

{智用}

天、時、人

 勝利を勝ちとるには、天{客観条件}、時{タイミング}、人{人的条件}の三つの条件に逆らってはならぬ。将帥は、この点によく留意すべきである。
 天と人の二条件はそろっているが、時の条件に欠けていることを「時に逆らう」という。
 時と人の二条件はそろっているが、天の条件に欠けていることを「天に逆らう」という。
 また、天と時の二条件はそろっているが、人の条件にかけていることを「人に逆らう」という。
 智者は、天、時、人の三つの条件がそろわなければ、軍事行動を起こさない。
守屋洋訳 諸葛孔明の兵法 {徳間書店} より 

{択材}

部隊編成は、つぎの要領で行う。
  1. 戦が飯よりも好きで、戦陣にあることを楽しみ、いかなる強敵に出会っても平然と構えている。こんな兵士を選んで「報国隊」を編成する。
  2. やる気十分、体力もあり行動も敏捷である。こんな兵士を集めて「突撃隊」を編成する。
  3. 健脚で、奔馬よりも早く走ることができる。こんな兵士を選んで「特攻隊」を編成する。
  4. 騎射が巧みで、百発百中の腕を誇る。こんな兵士を選んで「奇襲隊」を編成する。
  5. 弓の名手で、百発百中、しかも一発で敵をしとめる。こんな兵士を選んで「射撃隊」を編成する。
  6. 強弩をふりしぼる剛力の持主で、しかも、遠方からでもかならず命中させる。こんな兵士を選んで「砲撃隊」を編成する。

以上で明らかなように、部隊編成にあたっては、兵士ひとりひとりの能力に応じて使いわけることが肝要である。
守屋洋訳 諸葛孔明の兵法 {徳間書店} より 

{出師}

将帥の統帥権

むかし国王は、国難に見舞われると、有能な人材を選んで将帥に任命した。国王は斎戒すること三日、先祖の廟に入り、南面して立つ。将帥は北面して立つ。王は太師{宰相}の捧げ持つ鉞を受けとって将帥に授けながら、こう告げる。
「将軍よ、これをもって軍の指揮をとれ」
さらにこう続ける。
「敵の虚につけ入るがよい。無理して強大な敵に立ち向かってはならぬ。おのれの地位を鼻にかけて部下を見下してはならぬ。部下の意見にはつとめて耳を傾けよ。また功にはやって、おのれの本分を忘れてはならぬ。部下が休息をしないうちは休息してはならぬ。部下が食事をしないうちに食事をしてはならぬ。また寒きにつけ暑きにつけ、苦しきにつけ安きにつけ、いかなる場合であろうとも、部下と行動を共にするがよい。そうすれば、部下はかならず死力尽くし、勝利はわがものとなる」
 将帥は王はことばを拝受し、北門を出て壮途につく。王は北門まで見送り、将帥の車にひざまついて、こう告げる。
「進むも退くもすべて時しだい。軍中にあってはそなたの命令が絶対である。君命といえども無視するがよい」
 こうなれば、将帥の地位は絶対的であり、思うがままに部下を使いきることができる。だからよく勝利をおさめ、功名を内外にとどろかせ、福を子孫にまで及ぼすことができるのである。
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