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故国の滅亡を伍子胥は生きてみれませんでしたが、私たちは生きてこの魔境カルト日本の滅亡を見ます。
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P R
戦闘教師「ケン」 激闘永田町編  より


上記文抜粋
・・・・・・・

ノリで戦争を選ぶ日本人
先の記事「日露開戦の代償」を書くにあたって、かなり新資料を読み込んだが、あらためて驚かされたのは、当時の日本人の相当数が「いまロシアと戦争しないと大変なことになる」という集団ヒステリーに陥り、それを少壮官僚や若手政治家が利用して、内治派の元老や国際協調派の明治帝を押し切ってしまった事実だった。
それは、司馬史観が言う「明治人たちは優秀だったのに、昭和に入ると別人になってしまった」という設定自体が虚構、あるいは司馬らが「信じたかった」ものだったことを示している。

ここで敢えて説明し直すと、もともと日露開戦前、日本政府は「朝鮮半島の独占的権利を確立し、ロシアに認めさせる」ことを政治目標とし、この点については元老を中心とした内治派も、少壮官僚や若手政治家を中心とした外征派もほぼ一致していた。ただ、手段として、内治派は「あくまでも対露交渉がメイン」としたのに対し、外征派は「軍事同盟などの国際圧力を駆使し、武力行使も辞さず」というスタンスだったことが大きく異なっていた。
ところが、日英同盟が成立し、日露交渉が難航すると、いつしか「極東におけるロシアの脅威を全面的に排除する」という方向で話が進んでしまい、国内世論もどんどんヒートアップして「戦争するなら今でしょ」「やらないとか言うヤツは国賊」という流れになり、外征派としても「振り上げた拳は下ろせない」形になってしまった。
そして、ほぼほぼ成立していた日露交渉を「聞かなかった」ことにして、日本は対露宣戦布告して開戦と同時に奇襲攻撃を行った。その代償は、9万人の死者、80年にわたる借金の返済、そして身の丈に合わない軍事大国への道だった。
私が強調したいのは、政治目的を達成するために軍事力を駆使する本来の姿と異なり、当時の日本人は武力行使そのものを目的としてしまったことであり、この点、明治人も昭和人も実は大差なかったのではないか、ということである。

昨年には「日清戦争の「勝利」を検証する」を著した。
日清戦争は政策担当者の主観的には外交交渉の敗北を軍事的勝利をもって上書きすることを目的とし、政治的には朝鮮半島から清国の影響力を排除して日本の単独的影響力を確立することを目的として始められた戦争だった。
結果的に日本は軍事的勝利を収めて清国を屈服させ、客観的にも主観的にも勝利を収めた。ところが、本来の戦争目的である「朝鮮の独立(独占的支配権の前提)」については、朝鮮を清帝国圏から脱しせしめたものの親露国にしてしまい、今度はロシアの影響力を排除するために(より難敵である)ロシアと戦争する必要が生じてしまった。
朝鮮が親露国になった直接的原因は三国干渉にあるが、これは日本が清国をめぐる暗黙の国際合意に配慮せず、また他の列強の後援(了解)を得ずに清に過大な要求を行った結果、生起したものだった。
その三国干渉が切っ掛けとなって列強の対清侵略が進み、清帝室の威信は低下、財政的にも破綻して瓦解、日本は交渉相手を失うが、同時にこれを奇貨として大陸進出を図って行くことになる。日本の帝国主義的欲求を刺激したのは、日清戦争における過大な勝利と要求だった。
つまり、日清戦争も軍事的には勝利したものの、本来の政治目的は達成できず、むしろいたずらに清、ロシア、韓国の警戒心と疑心を煽る結果に終わった。やはり、「政治目的を達成するための武力」という原則は貫かれていない。日清戦争においても、同じく国論が沸騰し、元老以外の殆どで開戦論が主張されている。

一昨年には、「文民統制と和平交渉」で日華事変初頭における盧溝橋事件と南京進撃の意思決定を検証した。
この頃になると、そもそも政治目的が不明で、私も色々読み込んだが、近衛首相を始めとする政府要人が「日本の国益として何を目指していたのか」すらよく分からなくなっている。結果、日本政府は要求水準をいたずらに上げて和平交渉を自らブチ壊す一方、国民世論はマスゴミを中心に「暴支膺懲」でヒートアップし、対中武力行使を全面的に支持した。ここでも、武力行使そのものが目的と化してしまい、「武力によって獲得すべき政治目的」が分からなくなってしまっている。
敢えて昔との違いを言えば、日清戦争が「政治的失敗を武力で挽回」、日露戦争が「政治目的はあったけど、武力行使でより多くの成果が達成できそうだったし、今さらやらないとは言えないからやってみた」のに対し、日華事変は「ちょうど良いときに火が付いたので、やれそうだからやってみた」という程度でしかない。確かに症状としては、後世になるほど悪化しているものの、マキャベリズム的な思考からすると、どれも「政治家が愚劣で何も考えていないから、安易な武力行使に走った」と評価せざるを得ない。当然のことながら、これが日米戦になるともっと酷くなる。
要は、いずれの戦争もおよそ合理的判断に欠けているのだ。

他方、本ブログではソ連の武力行使に際する意思決定も検証している。「ソ連のアフガニスタン介入における意思決定過程」では、ソ連共産党指導部が「ソ連人300人殺害」という大事件が起きながらも自制を働かせ、参謀本部や外務省がそれぞれ専門的な理由から反対する中、最終的には長い議論を経て「アフガニスタンの同志からの要請は断れない」「同国に親米政権が樹立すれば弱い腹部がさらされる」「これまでの投資が無駄になる」などの理由から軍事介入を決断している。
最終的には失敗し、国際社会からも「悪」と断じられたものの、そこには少なからぬ合理的判断(明確な政治目的)と十分な議論が存在した。

「プラハの春-ソ連の対応と誤算」では、チェコスロヴァキアへの軍事介入を決断したブレジネフ執行部の意思決定を検証した。経済改革と保守派の追放に始まったチェコスロヴァキアの改革が共産党による統制を失い、党内の分裂も相まって制御不能に陥り、共産党体制の瓦解とソ連・東欧ブロックからの離脱が真剣に危惧されたことから介入の決定がなされた。その介入についても、ソ連側はチェコスロヴァキア側に対して再三にわたって警告を発し、ワルシャワ条約機構(WTO)加盟国の首脳会談を複数回行い(ドレスデン、ワルシャワ、ブラチスラヴァ)、調整に調整を重ねたものの、チェコスロヴァキア側の対応に全く変化が無かったため、軍事介入の決断を下している。
この場合も、明確な政治目的が存在し、「他に手段が無い」ことが確認された上で武力行使が決断されており、善悪は別にして十分な合理性が認められる。

一般的には「ロシア人は何を考えているか分からない」と言われるが、それは内側がブラックボックス化しているため思考や意思決定が分かりづらいだけで、実はかなり理性的な議論と判断がなされている。
むしろ日露開戦時にロシア人が驚愕したように、歴史的には日本人の方が「ここで武力行使するの?」という局面で全面行使に踏み切るケースが多く、しかもそこには明確な政治目的が介在せず、意思決定過程も曖昧であるため、合理的判断が介在する余地を狭めてしまっている。
その意味で、現行憲法の第9条が全面的に武力行使を禁じているのは、「我々日本人は、何も考えないで戦争したがるから(しかも反省しないし)、最初から禁止しておこう」という措置と捉えることも可能なのだ。

【追記】
日清戦争に見られる「政治外交的失敗を軍事力で覆す」という手法は、現代でも見られる。アメリカによるアフガニスタン侵攻は、自国が養成した対ソ戦ゲリラや国際テロリストが、自らの手を離れ、さらに噛みついてきたために起こしたものだった。また、同じくアメリカによるイラク侵攻も、湾岸戦争の未処理と中東政策の失敗を軍事力によって糊塗するために行われた面がある。だが、いずれの武力行使も、軍事的には成功したものの、本来の政治目的は達成できず、むしろ米国に対する怨嗟を拡大させて、中東からの撤退を加速させる方向に働いている。

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抜粋終わり

>その意味で、現行憲法の第9条が全面的に武力行使を禁じているのは、「我々日本人は、何も考えないで戦争したがるから(しかも反省しないし)、最初から禁止しておこう」という措置と捉えることも可能なのだ。

私も同感。

>確かに症状としては、後世になるほど悪化しているものの、マキャベリズム的な思考からすると、どれも「政治家が愚劣で何も考えていないから、安易な武力行使に走った」と評価せざるを得ない。当然のことながら、これが日米戦になるともっと酷くなる。
要は、いずれの戦争もおよそ合理的判断に欠けているのだ。

然り。


でも、江戸幕府や太閤さんはそうではなかった。

明治になり劣化したのかもしれない。


空気病は、「靖国病・天皇真理教」と病因が同じに思える。




空気を踏みつぶしても、命を守るのが先決。

空気など、マスコミや学校教育や御用学者でいくらでも変えれるだろう。
今の日本がそれを如実に示している。
日本人の3・11以前の「放射能嫌悪」と、それ以降の「放射能鈍感症」をみても明らかだ。

まわりの空気を読んで、もっと大きな世界や地球の空気を読めない。これを「空気を読むのが上手い人・社会」と言い得るのだろうか?
ただの阿呆かカルト教徒だろう。

やはり日本国は要らない。


お読みくださりありがとうございます。
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