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故国の滅亡を伍子胥は生きてみれませんでしたが、私たちは生きてこの魔境カルト日本の滅亡を見ます。
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P R
もうすぐ北風が強くなる より

上記文抜粋
・・・・・・・
  小沢、上杉、平林対談  7/23  NOBORDER  7/25 「銅のはしご」氏から

小沢 一郎 衆議院議員 生活の党 代表
平林 壮郎(たけお) 玉川大学准教授 元毎日新聞政治部編集委員
上杉 隆 ジャーナリスト(株)NO BORDER代表 自由報道協会事務局長

  最も象徴的なのが 7月13日 滋賀県知事選挙

上杉 隆
 昨日か一昨日か(小沢氏が)ロイターのインタヴュに答えられ記事が出ていて。

小沢 一郎
 はい。

上杉 隆
 気になったのは野党再編がやろうと思えばできると。また,安倍政権が下り坂で,来年夏か秋の選挙ということを,その辺りになったらどうなるかわからないよという言い方をされていましたが,野党再編というのは具体的なプロセス,方法をお持ちですか。

小沢 一郎
 いや,特別のことはないですけどね。 要するに,私自身も責任あるんですけれども,この間の総選挙(2012年12月16日)ね,自民党の票は増えてないんですよね。増えてないの,総得票(数)はね。
 にもかかわらず,野党が細分化したもんだから(自民党の)議席は大幅に増えた。

上杉 隆 
 ああ,成程。

小沢 一郎
 これは小選挙区制の特徴ですから。僕自身が,政権交代可能になるように,そう作ったわけだから,しょうがないんですよ。
 民主党政権の政治が,国民の期待に余りにも反してしまったっちゅうことで,自民党政権(の成立)をまた許したということになりますが。
 しかし,その総選挙後のね,首長選挙なんかを見てみますと,自公候補とそうでない候補と1対1の選挙になりますとね,7~8割たしか勝ってると思います。

上杉 隆 
 ほおお。

小沢 一郎
 それから,最も象徴的なのが此間(2014年 7月 13日) の滋賀(県)の知事選挙ですよね。

上杉 隆 
 ふうむ。 三日月(大造)さんですよね。

小沢 一郎
 自公の候補とは,全然問題にならないと最初言ってたんですけど,結局勝ちましたよね。

上杉 隆 
 はい。

小沢 一郎
 ですから,1人ならば,自公以外の投票先としてほとんどの国民が野党を必ず選ぶんですよ。
 だから答えは簡単で,候補者1人にすれば,勝つんですよ。

上杉 隆 
 要するに自民党以外の。非自民の候補を1人に統一して野党統一すれば。

小沢 一郎
 皆なで話し合って,1人にすればいいんです。

上杉 隆 
 ああ非常にシンプルな考えですけれども。

  政権を目指さない政党は解散したほうがいい

小沢 一郎
 子どもでもわかる話しなんで。だけどそれをほとんどの野党の人達,一般の議員の人達は皆そうおもってると思います。
 ただ,なかなかこうインチ・バイ・インチで進まないように見えるのは,やっぱりそれぞれリーダーの人達がもう少しね,自分自身でリスクを負ってでも,次の政権を(獲得する)もう一度政権交代する,ということに積極的にね,目標を定めてやらないと,政権を諦めた政党はもう,政党じゃないですよ。
 政党ってのは,政権をとって自分の政策を実行するのが政党だから。

上杉 隆
 (政権を目指さなければ)意味ないってことですか。

小沢 一郎
 意味ない。そんな政党はもう,解散したほうがいいってことです。

上杉 隆 
 意味のないそういう政党が,ある意味,小沢さんの言うのを邪魔してませんか。  簡単に言うと共産党って,そういう...

小沢 一郎
 共産党はね,ちょっともう何て言いますか,旧体制そのものみたいになっちゃいましたね。
 自分達のセクトですか? 自分達の既得権を守りさえすればいいっちゅうことで。全国のことを調べたわけじゃないですよ。私共の県なんかは,皆,自民党と共闘ですよ。

上杉 隆 
 共産党がですか?

小沢 一郎
 共産党が(自民党と共闘した)。
 もう,信じられないですよ,それは。他の地域でも,共産党と自民党共闘ってのは,けっこう多いですよ。

上杉 隆 
 何でそんなことになったんですかね。 もし共産党がなければ統一候補っていうのは出せると言うか,必ず共産党は(候補者を)出しますよね。

小沢 一郎
 出します。
 だけど,共産党が(候補者を)出すんならいいけど,自民党候補に乗るんですよ。

上杉 隆
 それ,市町村レベルで?

小沢 一郎
 そうなんですよ。もう,信じられないですよ。

上杉 隆 
 (呆れて)はああ...

小沢 一郎
 だからもう,共産党はね,それこそ守旧派だと。
 自分達の今までの小さなね○○○を守ればね,もう,革命なんてほど遠いね。僕はそう思います。
 志位さん,(衆議院では)すぐ傍に坐ってるけどね。(笑)あっはっはっはっ。

上杉 隆 
 国会の議席で...あ,そうか。

小沢 一郎
 議席ではね。

上杉 隆 
 守旧派って言葉は20年ぶりぐらいに聞いた気がする。(笑)

小沢 一郎
 あっはっはっはっ。

  各政党のリーダーは自分を殺し自分がリスクを負って,政権という目標に向かって全力を尽くせ

上杉 隆 
 平林さんが取材していたころじゃないですか。

平林 壮郎
 そうです。本当に55年体制から細川連立政権ができた1993年ですね。そのバック,背景になったのはまさに政治改革論議ですね。

小沢 一郎
 (頷きつつ)そうですね。

上杉 隆 
 そうですね。

平林 壮郎
 自民党の一党支配体制がずうっと 38年間続いて,軒並み(その)後半は,金権スキャンダルに襲われて,もう二進も三進も行かなくなって,国民が自民党政権に対する批判を強める,と。
 それに対して,これじゃあいけないということで,自民党の若手中心にね,政治改革論議が起こってきて,小沢さんもまさにその中心にいらっしゃったわけですけどもね。

上杉 隆 
 そうですよね,あの頃は。(選挙民では)まだ生まれていない人がいっぱいいるんですよね,1989年は。

平林 壮郎
 89年はまだ,竹下政権ですよね。

上杉 隆 
 この本(小沢一郎著『日本改造計画』)が93年ですから。どんだけ長い間(小沢氏が)政治のど真ん中にいるんだ,って。(笑)

小沢 一郎
 ははははは。

上杉 隆 
 さっきチラッと書いたんですけれども,小沢さんの周りにいた人達皆,総理大臣やってるわけなんですよね。

小沢 一郎
 ははは,そうなんですよね。

上杉 隆 
 そういう人達の中にずっといたということは,よく政治を見ていた,と。
 その小沢さんが,私は無理だなあと思う野党再編。これは可能だって,今おっしゃった。

小沢 一郎
 あのね,再編と言いますと,1つの政党になるようなイメージですよね。

上杉 隆 
 はい。

小沢 一郎
 僕は,そんな必要ない,と。そこまではね。ダメですよ,色んな利害がゴチャゴチャあって。

上杉 隆 
 ふうむ。

小沢 一郎
 4つも5つも(の政党)で候補者・選挙協力の話しをするのは,なかなか難しいです。

上杉 隆
 はい。

小沢 一郎
 ですから,2つのグループぐらいならば。例えば,今後どうなるかはわかりませんが,維新のグループとか,あるいは民主のグループとかを中心にしたグループ。 2つなら,話し合いはできますが。もちろん社民党も入るかもしれません。まあ共産党はちょっと無理ですけれどもね。(笑)
 そうすると,要は,候補者調整(して)強いほうを出しゃあいいわけですから。

上杉 隆 
 ええ。

小沢 一郎
 そうすれば,絶対,勝ちます。

上杉 隆 
 成程。

小沢 一郎
 だから僕は,どっちかって言やあ,各政党のリーダーの人達が,自分をもう少し殺して自分がリスクを負って,この政権という目標に向かって全力を尽くす。
 必ずできると思います。

  個人的感情のレヴェルのことで天下のことを考えてはいけない

上杉 隆 
 維新の会,これは,中身,政策は若干違うかなと。
 ただ,社民党とか,かつては新進党で公明とも一緒になった小沢さんなんで,実は選挙協力って言っても,考えれば,たしかにおっしゃる通り,可能なのかとも。

小沢 一郎
 維新もね...僕はまあ(思うに)橋下さんは,ちょっとそのスタンスを変えつつあるんじゃないですか。
 石原さんと分かれてから。

上杉 隆 
 そうです。先週ここに出た石原さんは,逆に はっきり 「橋下君は狂ってる」 と言いました。

小沢 一郎
 あっはっはっはっ。

上杉 隆 
 「狂っちゃったんだ」 と。つまりそれは要するに,原発のことを端的には言ってるので。
  「何で,脱原発なんか,言ったんだ」というふうな言葉で,まあ完全に離婚状態になってますが。

平林 壮郎
 わかってて一緒になった。選挙対策で一緒になったわけですからね

小沢 一郎
 でも僕は,橋下さんがもう少し割り切って。
 そして「大阪都構想」って言っても,いわゆる国の行政の基本の制度を変えることでしょ。

上杉 隆 
 はい。

小沢 一郎
 大阪だけじゃないんですよね。それで,「日本」維新の会なわけだから。大阪維新の会じゃないから。
 やっぱり,国全体の制度を変えなくては この大阪都構想も実現しない,という結論になれば,それは当然のことだとは思うんですが。そうすればもう,政権目指して頑張ろうということに...合意し易いんじゃないですか。

上杉 隆 
 小沢さんから見て,橋下徹さんってどんな政治家に見られます。 国会議員ではないですよね。でも非常に若い,弁護士,テレビ出身...

小沢 一郎
 僕はこの前の総選挙のときも,絶対出るべきだって言ったんですけどね。

上杉 隆 
 国政のほうですか?

小沢 一郎
 うん。そうじゃないとやっぱり,都構想も実現しないじゃないですか,と。
 だから今度こそやっぱり次の総選挙は橋下さんが先頭に立って,国政に参加すると。

上杉 隆 
 ふうむ。

小沢 一郎
 それが全体のトップかは別にしても少なくとも維新のグループのトップに立って,先頭に立って国政に参加するということで,初めて,橋下さんの主張も実現する可能性が出来てくるんじゃないでしょうかね。

上杉 隆 
 成程。
 橋下さんとまた,大きさで言えば,前にいたと言うか元々2003年に小沢さんが作った民主党。ここがもう1回一緒になるということが,相当難しいんじゃないかと。
  民主党の6人衆(玄葉,前原,野田,岡田,安住,枝野)と言われている仲間達,野田さん始め。要するに,小沢アレルギーという形で,小沢さんだけは嫌だと言っている人達がいますよね。
 これが,目に見えて政権獲得のチャンスがあるのに,いわゆる感情論で,選挙協力とか,その流れをどうも妨げてるんじゃないかと。私自身も,皆6人とも知っている立場から言うと,そういうふうに見えるんですが。

小沢 一郎
 いや別に一緒になんなくたって,いいんですよ。 イヤなのを無理やりね。

上杉 隆 
 ははは。

小沢 一郎
 だけど,それはそうなんですが,自由党と民主党が一緒になるときも、小沢とはイヤだということは,二度三度とあって(笑)
 だけど,しょうがないということで一緒になりましたし。まあ自民党でもどこでも,なんかエラク嫌われてまして,「やだ,やだ」って言う人がいるんですけれども。
 やっぱ,個人的感情のレヴェルのことで天下のことを考えては,いけないと思いますね。 僕はそんなこと言ったらね,誰とも協力できなくなっちゃうね。

上杉 隆 
 そうですね。小沢さん,本当にあれですよね。政界で嫌われてるんですね。私もメディアにもの凄く嫌われてる。

小沢 一郎
 あっはっはっはっ。 ははははは。

上杉 隆 
 最近,気持ちわかってきたな。(笑) 僕は最初,小沢さんを見たのは,新進党の秘書をやってるときに,「あっ,小沢一郎さんだ」って...横浜のパシフィコで...

小沢 一郎
 ああ,そうでしたね。(笑顔)

上杉 隆 
 逆に緊張して。そのあとずっと20年くらい見てるんですけど,よくずうっと叩かれ続けてんなあ,と。 絶対ああいうふうにはなりたくないなあと思っていたら (全員・大笑)

小沢 一郎
 いちばん(やられたのは)メディアからですよ。

上杉 隆 
 そうですね。

  メディアも改革の対象だと言って,メディアから「あの野郎!」と嫌われてきた。

小沢 一郎
 政治家たってね,皆,マスコミのことを気にしてビクビク,ビクビクしてますからね。
 だから,メディアも改革の対象外ではない,という考えを,僕は持ってますから。
 メディアにしてみりゃあ,ものすごい「あの野郎!」ちゅうことになるんですよ。

上杉 隆 
 はい。怖いんでしょうね。政治家,今名前出した6人,実は個別に「小沢さんのどこが嫌いなんですか」と聞くんですよ。具体的に言うと,嫌いな理由はないんです。
 「皆が嫌いだから」「怖いから」と。

小沢 一郎
 はっはっはっ。

上杉 隆
 で,聞くと,やっぱり凄いんだと,政界で。結局,尊敬の念が逆転しちゃって,怖がって嫌ってるというふうになっちゃってるんですね。それを,どんどん,どんどん大きくするのがメディアですよね。

小沢 一郎
 メディアも結局,記者クラブの制度もそうだし,それから競争がないでしょ。全部,保護されてるわけですから。再販で保護され,テレビは一度免許もらうとずうっとでしょ。

上杉 隆
 はい。

小沢 一郎
 ですからそういう意味で僕はこれも全部否定するわけじゃないけど,永久にこれ一度もらったものは全部自分達の利権だという感覚はおかしいと。
 だから改革の対象の外にはない,と。
 これも,改革の対象だと言うから,嫌われる。(笑)

上杉 隆 
 ええ。言っちゃったからですね。(笑)

小沢 一郎
 あっはっはっはっ。

上杉 隆
 いちばん最初に,記者クラブの開放を言ったのは自民党時代の小沢幹事長だったんですよ。

小沢 一郎
 それ,現実に言ったんです。

上杉 隆 
 ええ。実際にやったんですよね。亡くなったジャーナリストのワタナベさん。アメリカに,いわゆる政府専用機ではないんですけど,外遊に...完全に最初にやった人っていうことで,いちばん叩かれてるのかなあと。私自身は,そういうふうに見てたんですけど。 ただ,メディア側のほうも言い分が,毎年毎年変わってますけど,ある。

小沢 一郎
 はははは(笑)

上杉 隆 
 メディアからすると,小沢さんのどこが怖いんですかね。結構,執拗に叩いてますよね。

平林 壮郎
 まあ,日本社会の特色だと思うんですけども,極めて同質性を求める社会ですからね,日本社会っていうのは。
 出る杭は叩かれる。まあ,出過ぎた杭は叩かれないっていう(笑)言い方もありますけれども,やはり,予定調和的な社会。それはやっぱり心地良いですからね。
 それはしかし,日本の経済が上手くいっていたときに,それが通用した話しで。 

 バブル崩壊した後ですね,経済がおかしくなって,日本も色んなところで,自民党が38年間政権を持ってきた55年体制の澱みたいなものが溜まりに溜まって,そこでもう本当に改革が必要だと。変えていかなくちゃいけないと。日本の政治も社会も変えていかなくちゃいけないというときに,直面しちゃったわけですよね。

 しかし,それでもまだまだ,成功体験があったもんだから 何とか予定調和的な,皆が同じ社会でやっていけるんではないかということで,そこから見ると,小沢一郎っていう政治家は,極めて特異な,異質な政治家に映ったことは事実だと思うんですよ。

小沢 一郎
 あっはっはっはっは。

上杉 隆
 日本では異質ですけど,世界的な政治シーンにおとして見ると,小沢さんの言ってることって,別に異質じゃないですよね。
 これから伺おうとしている,集団的自衛権の問題というのも,これを,国連を中心とした体制とかを含めて,もう既に,21年前かな,本に(『日本改造計画』を掲げて)書いてんですよ。
 ビックリするんですけど,これ全然旧くないんですよね。本は古いんですけど。(笑)

アナウンサー
 預金してるような内容ですね。

上杉 隆
 オベンチャラ言ってるわけじゃなくて,改めて読んでると,本当に,あっ,小沢さん,早過ぎたんだ,と,ちょっと...

小沢 一郎
  はっはっはっは (平林氏も笑)

上杉 隆 
 気付いて言うことを,もう少し,5年ぐらい寝かせるとちょうど(時代に)合うんじゃないか。そんなことないですかね。

  コンセンサス社会 ・ 日本のやり方を変えようとする人間は日本の敵だとされる。変動の時代におかしな方向に行ってしまう日本社会

小沢 一郎
 うーん。やっぱり日本はね,今お話しのように合意社会ですからね。
 コンセンサス社会で,事を荒立てないで皆で仲良くしながら上手いこといけばいいなあと,こういう社会ですから。
 だから,上手くいってるときは(問題が起きにくい), この日本のコンセンサス社会, これも民主主義ですからね。 民主主義のひとつですよ,日本人の歴史的な経過から生み出した。これも民主主義なんだけど,日本的な。
 だけど,上手くいかなくなってきたときに,さあ,決める人がいないんです。

上杉 隆 
 ああ,そうか。

小沢 一郎
 それから,議論することも,これは御法度なんですね。で,日本人ちゅうのは真剣な議論をすると,喧嘩になっちゃうでしょ,感情的に。

上杉 隆 
 たしかに。例えば小沢さんとペットボトル(机上のものを手に取り)について話してると,僕はこれは丸だ,小沢さんは四角だと言ったときに,ここで議論にならないんですよね。(日本では)あいつは意見が違うから敵だってなっちゃうんですよね。これ日本人の特色なのか..

小沢 一郎
 そう,そう。だから,日本人自身が,異質,特色のあるね...特別なんですよ。
 特異な国なんですよ,日本というのは。
(笑いながら)日本とアメリカが一番特別な国だと僕は思うんだけどね。

上杉 隆 
 日本の人は,それは普通だと思っちゃってるんですよね。

小沢 一郎
 思っちゃってるんですよ。これがいいんだと思ってるんですよ。
 その,コンセンサス社会のやり方を変えようとする人間は日本の敵だとなる。日本人の敵だとなっちゃうんですね。
 だけども,じゃあ,どうすんのよ,と。この世の中がこんなに変動する時代になったら,誰が決めんの?
 政治家も決めない。もちろん官僚は決めきれない。
 誰も決めないから,何となく漂っちゃうということで,下手すると おかしなとこに行っちゃう,と。

上杉 隆 
 そうなんですよ。今日伺いたかった,例えば集団的自衛権の憲法解釈による見直し。
 これを行使可能にしたというのは,実は,誰が決めたかというのは,よくわかんないんですよね。
 憲法解釈だったら,国権の最高機関である立法(=国会)が変えるべきですよね。国民代表で。

 安倍さんは閣議決定というものにして,さらに,閣議決定は正しいんですかって言うときには,これは内閣法制局というのが出てきて,内閣法制局がこれは「法の番人」としてお墨付きいただきましたって言うんですけど,内閣法制局は,行政じゃないですか。別に司法でもないと。

 つまり,行政の中でゴチャゴチャ決めてしまった,というのが,若干怖いなと思うんですよね。
 そして誰が決めたかも,よくわからないと。
 この集団的自衛権の,実際には自衛権ではなく,憲法解釈の見直しということも伺いたいんですが,先ず,集団的自衛権自体は,小沢さんは賛成なんですか。

小沢 一郎
 自衛権ですから,集団的だろうが個別的だろうが,これはまあちょっと理屈の上で分けたんですけどね。
 自衛権は,それぞれの国が自然権として(持つのは),個人が正当防衛権(を持つのと)同じです。 self-defense 正当防衛権を持っていると同様に,個々の国も全部,自衛権を持っている。
 だから日本だって,個別的自衛権も集団的自衛権も,自衛権は持ってる,と。国連憲章51条には「持ってるよ」って,ちゃんと書いてるんですけどね。
 日本国憲法には書いてないし,他の国の憲法にもね,わざわざ自衛権ありますって書いているとこは,ないです。
 だからこれは,自然権として持ってる。日本も当然,集団的自衛権も持ってる。行使もできる。
 ただ,憲法9条によって,日本が直接攻撃を受けた場合は,自衛権を発動していいけれども,日本が直接関係のない 国際紛争=他の地域,他の国の紛争については,国権の発動たる武力の行使はダメよと9条で書いて(禁止して)あるわけです。
 だから,自衛権の行使について,9条が制限しているわけですね。
 安倍さんの言うように,アメリカともやるし,他の国ともやるんだみたいなこと言ってますよね。

上杉 隆& アナウンサー  
 はい。

小沢 一郎
 そのためには,憲法9条を変える以外ないんですよ。

上杉 隆 & アナウンサー 
 ううむ。

小沢 一郎
 解釈の問題じゃないです。
 解釈というのは,条文・逐条にきちんと書かれていないときに,どう解釈するかという問題になるんですが,
 9条には,他の国のこと,他の地域のこと,日本と直接関係のないことはダメよ,と書いてあるんですから。
 解釈じゃないんですよ。
 だから僕は,安倍さんがそんなにやりたいんなら,憲法の改正を国会でも発議するようにすればいいし,国民にも訴えりゃあいい(と言っている)。
 最初,憲法改正,言ってたんですから。<ただし,憲法第96条の改正手続きについて変えると言っていた>

上杉 隆 & アナウンサー 
 ええ。

小沢 一郎
 評判悪くなったら,いつの間にかフウーッと言わなくなって,それでこの解釈論で集団的自衛権云々という話しにだけ,持ってちゃったんですね。

上杉 隆 & アナウンサー 
 はい。

  安倍総理は憲法を無視して,やりたいようにやるつもりか

小沢 一郎
 これは,ちょっとね,僕は,トップリーダーとしては姑息な,ちょっとあまりいいやり方では...あまりっちゅうよりも,やっちゃいけない,やり方だと,僕は思います。

上杉 隆 
 先週,衆・参議院 予算委員会で集中審議やって,今,維新の会の片山虎之助・元総務大臣が質問して安倍さんに盛んに言ってたのは ,今小沢さんがおっしゃってた,このことですよね。(立ち上がりホワイトボードのメモで説明)
 自衛権は,自然権で国際法でも認められてる。これは当たり前なんで,よっぽどの国じゃないと,これはOKですよね。
 個別的(自衛権)と集団的(自衛権)の,集団的(自衛権)をOKとした場合,要するに閣議決定・内閣法制局=行政でやる,と。
 片山虎之助さんが安倍さんに言ったのは,行政がボンボン決めて,国権の最高機関である国会に下ろしてきて,1日か2日で,話をしろ,と(安倍総理は言うが)うち等は行政の下請けじゃあないんだ,と。かなり怒ってたんですけど。
 まさに自民党の中にも,ここ(=集団的自衛権行使)までは賛成する人はいるんだけど,これ(=閣議決定)は,ないんじゃないか,という意見があって。
 行政で決定するってこと自体は,そもそも集団的自衛権の(憲法)解釈変更ってのは...<ホワイトボードのメモには 「閣議決定」と 「憲法改正」対置されている> 

小沢 一郎
 憲法は,無視してることですよね。憲法9条があるのに,事実行為として,多分安倍さんはやりたいんでしょう。

上杉 隆 & アナウンサー 
 はい。

小沢 一郎
 やりたいから,その根拠として(持ち出した)。
 憲法改正つうと国民の反対が多くてダメだと。だから解釈で できるんだということの,その根拠のために閣議決定というのを持ち出した。
 内閣法制局というのは,おっしゃったように太政官以来の,内閣の行政の法律を扱うとこですから,法の番人でも権威でも何でもないんですよ,こんなの。
 政府のやりたいことについて,法律上,齟齬のないように色んな解釈を付け加えるとこなんですよ,法制局つうのは。だから,本当はここは問題にならないです。法制局が良いとか悪いとか(言っても)。
 その証拠には,戦後この自衛権についても自衛隊についても,何十回と変えてますよ,法制局は。

上杉 隆 
 そうですよね。

小沢 一郎
 その都度,その都度,いい加減な話ししてるんですよ。

上杉 隆 
 ええ。

小沢 一郎
 だから,こんなのは番人でも権威でもないと。まあ,内閣の都合の良いように論理を組み立てる仕事をしているお役人。

  立法府の法律審査能力を強化する

上杉 隆 
 そうですよね。小沢さん,前から内閣法制局はなくしてしまえ,と言ってますよね。

小沢 一郎
 (頷きつつ)だって,各省にいっぱい東大の法学部出身や,ゴロゴロ掃いて捨てるほどいっぱいいるでしょ。だから各省でやりゃあいい。

上杉 隆 
 捨てるほど...(笑)そうですね。

小沢 一郎
 憲法に適合しているか,法律で妥当かどうかは,国会が判断する。だから,国会に法制局があればいいんですよ。

上杉 隆 
 あっ,そうですね。そうだ。

アナウンサー 
 (国会の)中に...

小沢 一郎
 内閣は適当に自分に(とって)いいことを出してくるんだから。

上杉 隆 
 そうか。立法府に(法制局が)あればいいんだ。そうですよね。

小沢 一郎
 立法府の法律審査能力を強化すりゃあいい。

上杉 隆 
 ふうむ。

平林 壮郎
 今ありますけどね,衆参に。あるけども,本当に人数少ないし。議員立法なんかを,そこで審査するっていうことで,ありますよね。

小沢 一郎
 だけど,調査権がないんすよ。行政に対する(調査権がない)。

上杉 隆 
 ああ。極めて弱いですものね,権限が。

小沢 一郎
 立法調査権というのは,結局,委員会で決議しないとならないでしょ。

平林 壮郎
 はい。

小沢 一郎
 議院内閣制じゃあ,与党が多数だから,それ,行使できないんですよ,事実上。

平林 壮郎
 (深く頷く)

  政治家は国民の代表=政治家としての仕事を,役人は役人としての仕事をすべきだ

小沢 一郎
 だから僕は,国会の改革として,国会に,行政に対して質問し情報を取ることの権限を与えるべきだ,と。国会に,法制局なら法制局(の権限・機能強化)。
 そうしないと,行政は,全部隠しちゃってますから。
 多分ね,総理や大臣にも喋んないですよ,いやなことは。全部,役人で抑えちゃうから。

上杉 隆 
 そうですね。小沢さんの言ってきていることをずっと昔からこうやって(よく見聞きすると),常に,行政との戦いって言うよりも,行政のシステムを変えよう,というので,一貫してますよね。

小沢 一郎
 そう,そう。僕は役人不要論を言ってるんじゃないですよ。
 だから,彼等は彼等の行政官としての仕事をしろ,ということなんですよ。

上杉 隆 
 (仕事を)しやすくシステムを変えますよ,ということを言ってる。

小沢 一郎
 そう,そう,そう。政治家みたいな顔してね,情報を皆支配しようとするから,問題起きるんですよ。
 政治家は政治家として,国民の代表としての政治家としての仕事を,せい。役人は役人としての仕事をしろ,と。
 僕はそう言ってるだけなんです。

上杉 隆 
 ええ,ええ。それも,何故,恐れられるんですかねえ。

小沢 一郎
 ははははは。

上杉 隆 
 本当にやってしまうと(何か不味いのか)。

小沢 一郎
 ははははは。

平林 壮郎
 ずうっとやってきた官僚主導ですからね。 それはやっぱり,霞が関の官僚機構からすれば,それは,小沢さんは怖いわけですよ。

上杉 隆 
 やっぱりそれが怖い...

  非常事態。危機管理。憲法にも今その仕組みがなく,法律上もない。日本の政府は,肝心の権力を持っていない

平林 壮郎
 小沢さんが権限を持つと,自分達の権限が削がれてしまうから。既得権を奪われてしまうから。というふうに彼等は思ってるわけですよね。

上杉 隆 
 って言うことは役人マインドを持ってる人間,つまり自分の生活とか自分の地位とか守ろうとする人からすると,小沢さんって,やっぱり,革命家って言うか,改革者に(映る)。
 改革者を怖がるって,それは皆そうですね。

小沢 一郎
 僕ね,役人も(その)権限を奪うだけの話しをしてんじゃないですよ。
 日本の政府は,肝心の権力を持ってないですね。
 例えば,非常事態とか危機管理とか(切迫し必要に)なったときに,今,憲法にも(その)仕組みがないし,法律上もないんですよ。

上杉 隆 & アナウンサー 
 はい。

小沢 一郎
 だから,大震災。 東日本も関西も,もうそれぞれの各省があっち行ったりこっち行ったり,勝手なことやってる。バラバラなんですよ。

上杉 隆 
 バラバラでしたね。

小沢 一郎
 権限がまったく統一できない。 だから非常事態になると,危機管理能力というのは,ゼロなんです。

上杉 隆 
 ふうむ。

小沢 一郎
 時々僕,皆に喋るんだけど,総理大臣以下,官邸で閣議してるときに爆弾かなんか破裂して,全員死んじゃったら,誰が国政の責任者になりますか? 知ってますか?

アナウンサー 
 どうなっちゃうんですか?

小沢 一郎
 わかんないでしょ。

アナウンサー 
 わからないです。

小沢 一郎
 どこにも,ないんですよ。

アナウンサー & 上杉 隆 
 (苦笑しつつ)ないですよね。

小沢 一郎
 これは,無政府状態になっちゃうんですよ。

アナウンサー 
 そんなふうになっちゃう...

小沢 一郎
 国会が開いていれば,もう一度,首班指名をやりゃあいいんです。

上杉 隆 
 ああ,そうか,そうか。

小沢 一郎
 (国会が)休会中(なら)どうするんですか? 内閣が招集するんですか?

上杉 隆 
 内閣がいないんですね。どうすれば...

小沢 一郎
 誰も,できない。 天皇陛下が国事行為のあれを利用して,任命するか,それは日本国憲法では,できない。

上杉 隆 
 できないですよね。要するに日本って国会のシステムでもそうですけど,何か有事の際・何かあった場合の色んな手当てとか準備ってのを考えることが苦痛だから,それは皆で考えないようにしようというのがあるような気がするんですよね。

小沢 一郎
 考えないで済むようにしようやといのは(その通り)。アメリカ(非常事態での責任体系が)20何番目まで,ある。

上杉 隆 
 たしか州知事まであるんですよね。

小沢 一郎
 大統領以下ね。 主だった人は絶対一緒の場所にいないんですよね。

上杉 隆 
 そうですね。必ず,大統領と副大統領は別(の場所)にいる。それは絶対にそうです。イギリスもそうですもんね。

小沢 一郎
 だから,日本は天下泰平なんすよ。(つくづくと)

上杉 隆 
 こうあって欲しいということと,現実を,リアルを直視するっていうことが訓練されてないんで。
 例えば原発事故のときも,原発で放射能は出ないだろう,事故はきっと大きくならないだろうって思いが,政治も行政もマスコミも全部そっちのほうに走る。
 そうすると,気がつくと,手遅れ,と。 何度も繰り返してるような気がするんですよね。
 せっかく早くから警告をしていた小沢さんなんですが,こんだけ警告してその通りになっていくのに,それが上手く周りが手当てしてないと,頭来ません? なんか,やる気なくなりません?

(※ 北風:どうもこの国の政治家も官僚も、願望と事実の区別をあいまいにする習性があると思う。
この二つは厳然と区別してそれぞれを探求しなければ正しい判断も結論も得られない。
区別をあいまいなままに議論するのは常に錯誤や誤魔化しの可能性を増大させる。
願望と事実の区別がまったくない場合は妄想である。)

小沢 一郎
 うぅん,それはまあ,あるんですけどねえ。アホらしくなる。

上杉 隆 
 そうですよね。(その上)叩かれるし。

小沢 一郎
 そんじゃまあ,勝手にしろ,みたいなね気分になるときありますがね。やっぱ,バッヂ付けてる以上は,そういうわけにもいかんから,我慢してできる限り努力してんですが。
 今お話しの原発もね,皆「大丈夫」みたいなことを言ってるでしょ。

アナウンサー & 上杉 隆 
 ええ...

小沢 一郎
 全然大丈夫じゃないですよ。

アナウンサー & 上杉 隆 
 ああ...

小沢 一郎
 それで,チョボチョボ,チョボチョボ,また漏れた,何したかにしたって,時々出てくるでしょ。

上杉 隆 ; はい。

小沢 一郎
 全然,事実を伝えてないんだから。ホント,大変ですよこれ。だから,外国の人達がむしろ心配している。

上杉 隆 
 ううむ。

小沢 一郎
 放射能を封じ込めない限り,日本の明日はないね。それほど大変なんだ。

上杉 隆 
 現時点でも,東京電力が発表で,放射性能が1時間に1000万ベクレル・パワー。これだけ出てるってのは...テレビとか見てるとね,全くそんな国じゃないように見えますよね。

アナウンサー 
 はい...

上杉 隆 
 西欧の記者達がよく言うのは,日本は砂の中に頭を突っ込んだダチョウになっってる,と。
 現実を見ないで,取りあえず目をつぶって砂の中に頭を入れれば,取りあえず避難した,大丈夫だったと思うけど,いつかは顔を上げなくちゃいけないと。
 先送りしてるだけじゃないかというふうに言ってる。

小沢 一郎
 ああ。うん。だから僕は大変だと思いますよ...
(後半省略)



・・・・・・・・
・・・・・・・・
抜粋終わり


小沢は必要な人材であるのは、間違いない。

ただ、彼と同等かそれ以上の偉傑も必要だ。


にしても、まあ参考になる話です。


お読みくださりありがとうございます。
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