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故国の滅亡を伍子胥は生きてみれませんでしたが、私たちは生きてこの魔境カルト日本の滅亡を見ます。
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文殊菩薩 ブログ版 より  


上記文抜粋
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「今回の問題は、欧米対ロシアと云う構図だけで見つめるのは近視眼であり、プーチンによる、欧米覇権文化への挑戦と云う枠組みで観察する必要性を強く感じる。」(あいば達也)

日経モスクワ支局の記者の視点は…、
(プーチンの今回のクリミア編入が)「政権基盤を強固にし、2000年から続く「プーチン体制」をさらに長期にわたり盤石にする狙いだ」というもの。
これは↑まことにズッコケた、というか、何も分かってない!というか、歴史の大きなうねりと国際政治が転換期に入った!(覇権の移動)という視点が欠けている。

そこへいくと、あいば達也氏の視座は流石で↓まことに冴えている。
「今回の問題は、欧米対ロシアと云う構図だけで見つめるのは近視眼であり、プーチンによる、欧米覇権文化への挑戦と云う枠組みで観察する必要性を強く感じる。」

そういうことなのだ。
欧米流の「利権収奪を狙う植民地主義」に対抗する「民族自立・自決主義」を実現することを、プーチンは本気で推進しはじめた。

然り!
「民主主義」を掲げながらも、実質は、暴力とテロと圧政でもって「後進国」を植民地化してきた欧米流の民主主義に対抗する「後進国ロシアの民主主義」のほうが本物!という時代が始まったのである。
(飯山一郎)

世相を斬る あいば達也  2014年03月19日

ウクライナ問題を通して見えてくる、欧米文化圏の不遜傲慢支配のゆくすえ

 案に相違して、プーチン大統領が一気呵成の道を選択した。まぁ、この選択肢もあったわけで、以下の日経の記事のように、長期政権を睨んだ選択と云うよりも、現時点のロシア輿論を重視し、欧米勢力に対抗する道を選んだのだろう。強いロシアの復権は、プーチンの理念でもあったわけだし、現在のウクライナ暫定政権に、なんら民主的正当性がないことも、追い風になったという事だろう。国際法上云々でも理論武装が出来ているので、対抗し続ける選択になったのだろう。謂わば、安倍が目指す「戦後レジームからな脱却」の本家版と言える。ただ、プーチンは21世紀型を睨み、安倍は戦前回帰を睨んでいる点で、天と地ほどの相違を見せる。

 その選択が、正しかったと云う検証は歴史の中で行われるだろうが、今度はウクライナ東南部も奪われる、欧米諸国は口々に言い出す始末である。うっかりすると、ウクライナ全土をロシアが支配下に置く杞憂までし始めているのではないだろうか。アメリカの裏介入と云う最近の世界攪乱行動に楔を打つ意味でも有意義なプーチンの決断である。沈没する船から、真っ先に逃げ出すのが、現ウクライナ暫定政権の面々であったら、お笑い種である。姑息なバレバレな介入手段で、何をNATOは得ようとしたのか。アメリカ共和党ネオコンが民族主義ネオナチを利用し、キエフ騒乱を演出し、途中からオバマが抜き差しならない状況に追い込まれ、急遽の一策が電話で相談しようよでは、アメリカの凋落の象徴のようでもある。

 オバマやメルケルの右往左往は、昨日の野田佳彦叩きではないが、あのドジョウ男が右翼騒乱男・石原慎太郎の放火に慌てふためき、ガソリン入り消火器を振り回し、尖閣国有化しか道はないと思った罠とよく似ている。ダメな人間とか、国力が落ち目な国が、過去の幻影に捉われて、ミスにミスを重ねているように見えるのは、筆者だけか?この調子だと、中国の覇権意識も勢いを得るだろうし、他の多くに地域における民族独立の動きも活発化しそうな按配だ。


 ≪ 編入強行、米欧を無視 プーチン体制強化狙う
 【モスクワ=石川陽平】ロシアのプーチン大統領が18日、ウクライナ南部クリミア半島の編入を表明、編入の条約にも調印した。かつてロシア領だった同半島の支配回復で政権基盤を強固にし、2000年から続く「プーチン体制」をさらに長期にわたり盤石にする狙いだ。米欧の旧ソ連圏への勢力拡大に不信感を募らせるプーチン氏が、親ロ派住民の多いウクライナ東・南部に介入を拡大するかが次の焦点となる。
 「国際法ではなく、武力の法則に従うことを好む」。プーチン氏は18日の演説で、米欧が軍事介入でアフガニスタンやイラクを混乱させたと厳しく非難した。だが、半島全域に軍を展開したロシアも同じような行動をとり、米欧の警告を無視して一気に条約にまで調印した。
 ロシアは周到にクリミア半島の分離・独立を準備していた。欧米の複数の軍事筋によると、3月初めまでにクリミア半島全域に展開したロシア軍は精鋭の特殊部隊や軍情報機関の精鋭部隊が中心で、親ロ派の地元の自衛部隊を隠れミノに、衝突を避けながら素早く半島を掌握した。
 プーチン氏がクリミア編入を決断した最大の理由は、米欧への強い不信だ。同氏はウクライナで親欧米勢力による政変を資金支援し、実現に導いたのは米欧 だったとみる。4日の記者会見でも、リトアニアやポーランドなどの拠点で「(欧米の)指導官が(親欧米派過激グループを)訓練した」と批判した。
 プーチン政権が恐れるのは、親欧米派の政変がロシアにも押し寄せることだ。政権に近い政治評論家セルゲイ・マルコフ氏は、米欧の最終目標は「プーチン氏を打倒し、ロシアの戦略的利益を西側に売り渡すかいらい政権の樹立だ」と指摘。政権の不安を映し出した。
 プーチン氏は国内の都市部で起きた「反プーチン・デモ」も欧米が支援したと批判してきた。今回のクリミア編入の背景には、欧米によるロシアと旧ソ連圏への勢力拡大を阻むことで、18年の次期ロシア大統領選での自身の再選か、側近候補の勝利に道筋を付ける思惑がある。
 ロシアの世論調査によると、保守層が多いロシア国民の約8割がクリミアの編入に賛成した。ロシアでは欧米に屈しない強い指導者を求める国民感情も強い。「欧米の侵略」という神話が冷戦後も根強く残り、支配エリートも利権維持へ対米強硬論を支持する。
 今後の焦点は、プーチン氏がウクライナ東・南部への介入拡大に踏み切るかどうかだ。東・南部では、親ロ派住民が連邦制など自治権拡大を求める大規模なデ モを相次いで起こしている。衝突で多数の死傷者が出れば、ロシアが住民保護を理由に介入に乗り出す可能性が高まってくる。
 プーチン政権は今後も軍事介入の拡大をちらつかせて新政権を揺さぶり、欧米の勢力拡大を押しとどめる考えだ。新政権に対し経済的、政治的圧力を強め、中長期的に親ロ派政権の樹立を目指す戦略。クリミア編入と介入拡大の「脅し」が、最終的にロシアとの利益と判断している。 ≫(日経新聞)


 以上が日経の記事だが、内容は希薄なもので、西洋(欧米)的価値観こそ「善(真理)」の心理で物事を評価している。筆者は、この欧米価値観の世界支配に齟齬が明確に表れているとみている。堂々の軍事力による支配から、グローバルマネーによる、世界淘汰戦略はアメリカの、体力の限界から生み出された、悪賢い狐の戦略だともいえるだろう。インテリジェンスとマネーが世界を席巻する。その為には、人類の生きざま(哲学・文化・風習等々)や、民族の自立の心も、マネーと悪知恵と科学(欧米文化)に傅くべきだと云う傲慢な思い上がりから生れている。

 欧米各国のロシア包囲網が、中国の覇権主義や世界各地で燻る民族独立の動きを抑制(抑圧)する唯一の手段なのだから、何をしても許される(免罪符)、キリスト教の、祈りや善行を行うことで、過去の罪はチャラになる「免罪符(免償符)」の教えなのだから、正しいのだと云う欧米キリスト教圏の、傲慢な思い込みの思想の延長線にある。この思い込みな「善」が、海洋国家覇権に受け継がれ、世界支配が続いたわけだが、その時代が永遠に続くと云う信心が、欧米各国の傲慢を呼んでいるわけだ。

 欧米メディアはロシアの経済は早晩干上がると喧伝しているが、筆者はそれがプロパガンダである可能性は、かなりあると認識している。ロシアとEU各国の経済的ダメージが6対4であっても、その国家的影響力は、4対6に変わり得るものだと認識している。幸か不幸か、ナショナリズムと耐乏生活を何度となく経験しているロシアと、戦後右肩上がりの生活に親しんだ人々では、経済的ダメージに対する免疫力に絶対の差が生まれると考える。また、今回の問題は、欧米対ロシアと云う構図だけで見つめるのは近視眼であり、プーチンによる、欧米覇権文化への挑戦と云う枠組みで観察する必要性を強く感じる。



・・・・・・
・・・・・・・・
抜粋終わり


もうすぐ北風が強くなる。より
  


上記文抜粋
・・・・・・・・・・・
 孫崎「日本の占領体制は、世界的にみても異例なんです」:岩上安身氏  3/19 書き起こし「晴耕雨読」氏から


冒頭、孫崎享氏がテーブルの上に飾った本を紹介。

一冊は岩上安身・澤藤統一郎・梓澤和幸共著の『前夜~日本国憲法と自由民主党改憲草案を読み解く』。
もう一冊は、孫崎氏の近刊『小説外務省』。

孫崎「まず岩上さんの本の宣伝をすると、私の『小説外務省』の宣伝もしやすい(笑)。
テーマは尖閣問題がなぜこんなに緊迫したのか。
中国だけでなく、アメリカも日本も仕掛けたことを、34歳の主人公が探す」

孫崎「主人公のモデルは私(笑)。
もうひとつのテーマは、今の日本で真実を追究しようとするともの凄い圧力がかかる。
そのような流れがある中、外務省全体で隠そうとするとどうなるのか」

孫崎「だから尖閣の事実関係を知ってほしいということと、事実を話すことが難しくなっている日本の社会で、34歳の孫崎享がどう生きていくか」

岩上「私小説なんですね」

孫崎「そう(笑)」

岩上「実在の人物が出るという」

孫崎「『オフィスに行くとプロレスラーのような人が出てきた。岩上安身である』」

岩上「『プロレスラー』って言うのやめてください(笑)」

岩上「マック赤坂さんが橋下さんのタウンミーティングで発言しようとして、プロレスラーのような人物に羽交い締めにされた事件があったばかりです(苦笑)」

孫崎「選挙に立候補していて暴力沙汰が出てくるとは日本の民主主義の危機ですよ」

孫崎「こういうことが起こっているにもかかわらず、朝日も報じてないんですよ」

岩上「中継動画があって、みんな知っている。番記者は現場にいた。
日経記者はマック氏に対して、逆に抗議さえした」

孫崎「選挙の中で、こういう暴力沙汰が出てくるというのは民主主義の危機ですね」

岩上「悪いことした気がないんですね」

岩上「二人のうちの一人は検挙されたそうです。逮捕ではなく任意で事情聴取。
この時に体を押さえ込まれているときに日経の記者が赤坂氏に文句を言った。おかしいと思いませんか?」

孫崎「選挙戦の中で立候補している人間を暴力で威圧し、それを報道しないというおかしさ

孫崎「本題に入る前にひとつだけ
都知事選で舛添さんの得票率が猪瀬さんの48%でほとんどすべて収まっている。
人為的な操作があるのではないか


岩上「不自然ですが、どのような操作があったと考えられるのか。
都区部の得票数を一律に操作するなら、最後の集計の数字を改ざんしているとしか思えない。どうやってその仮説を検証するのか難しい。
票の数え直しを裁判で求めるしかないのではないか」

孫崎「法律家の話によれば、過去は票の数え直しを求める裁判が提訴されたことがあるが、裁判所が票の数え直しを命じた判決はないという。
日本に民主主義は存在するのか、という大問題

岩上「本題に入りまして、ウクライナの政変について。
これは第一幕と第二幕に分けて考える必要があると思う。
第一幕は昨年11月、EUとの協定を見送ったヤヌコビッチ大統領への不満が高まり、首都キエフに民衆が集まって3ヶ月にわたる抗議行動が行われその結果、銃撃戦も起きて死傷者が出て、ヤヌコビッチはキエフを脱出、反政権側が権力を掌握するまでが第一幕」

岩上「第二幕はその後、ロシアのプーチン大統領がロシア系住民が過半数を占めるウクライナ南部のクリミア半島をおさえ、黒海艦隊の基地を確保したところまで。これに対しウクライナだけでなく米国が猛反発して、緊張が高まっています」

孫崎「ウクライナ政変の第一幕が意味するところは、ヤヌコビッチという選挙で選ばれた大統領が、デモで倒されたということ。ヤヌコビッチは親ロシア派」

「この流れは、欧州とアメリカは知っている。ウクライナの次の指導者を誰にするのがいいか、アメリカ国務省のヌーランド国務次官補とパイアット駐ウクライナ大使が会話をしている内容がすっぱ抜かれて表に出た

孫崎「ヤヌコビッチ政権を倒す時点でヨーロッパとアメリカがすでに関与しているということが非常に重要なポイント

孫崎「外務省にいてイランを見てきたが、世間は民衆が政権を倒せば、民衆に正義があると思っている。
ところが、民衆のデモというのはきわめて頻繁にアメリカあるいはイギリスに支援されている側面がある」

岩上「それは民衆のデモを利用するということですか?」

孫崎「いや、もっとコミットしています
イランでは1951年にモサデク政権という欧米から独立する政権ができた。それが百田さんの『海賊と呼ばれた男』につながっていくのですが」

孫崎「独立をするとイランは石油の輸出ができない。そこへ日本の出光が買いにいく。欧米とは一線を画した、独自の関与を日本はしてきた。そこで欧米はモサデク政権を倒すためにデモを使う。デモで騒乱状態を作りそこに軍が入る」

孫崎「モサデクはリベラル。治安部隊は米英とつながっていて、モサデクを排斥したい。彼らが騒乱をあちらこちらに作り出し、その後で軍が入っていって、モサデクを排除した」

岩上「欧米と気脈を通じた治安組織が存在した」

孫崎「治安組織に利用された形で民衆が動く。
その民衆の騒擾を利用しながら、筋書き通りに事を運ぶ。
このモサデク事件を米英が仕掛けたことに反論を試みようとチャレンジする人はいない。定説化している


岩上「それでシャー・パーレビが出てきた。これは親米政権でしたが」

孫崎「シャーは途中で言うことを聞かなくなった。石油の価格が上がって強気になり、俺は世界のNo.5になると言った」

岩上「No.5というのはお金ではなく、権力を持つということ?」

孫崎「世界第5の大国になるということ。
シャーを潰すときには、いわゆる人権派が騒ぎだした。イランには人権がないと」

孫崎「これを後ろから支援する形で、まずデモが起こり、アメリカと通じる軍と治安警察は鎮圧に行かない。シャーは潰れた

岩上「その後にホメイニが出てきた。つまり、アメリカはホメイニを呼び込んだことになった」

孫崎「そう。実はCIAとホメイニは通じていた

岩上「それはびっくりですね」

孫崎「アメリカはホメイニを低く見ていた。しょせんイスラム教の坊さん、政治はやると思っていなかった。アメリカはパリで接触していた。
でもホメイニ一派はすごい。権力をとったあと統治していく」

孫崎「面白いのは、アメリカは倒すことはできるが、その後に親米政権を築けない。そんなことを繰り返している

岩上「その中の唯一の成功事例は、日本の自民党じゃないですか」

孫崎「そうですよ。日本の場合は占領期間があったということが重要
占領期間の間に米国の意に沿う組織が作られてしまった
たとえば大学は本来は中立的で自治があるが、『アメリカ学会』が作られ、アメリカに協力する学会となった。これはもう学会じゃない」

孫崎「経済界では経済同友会が作られる。
大企業の役職についたサラリーマン経営者中心の経団連と違い、同友会のメンバーは固定され、日本をコントロールしていく。
1945年から51年までのあいだに日本社会を構築できた。これが非常に大きい」

岩上「イラクは正面からアメリカに戦争を仕掛けられ、戦争をし、敗北し、占領された国です。
しかし、日本の戦後エスタブリッシュメントのように柔順ではなかったですね」

孫崎「2004年か5年にイラクの石油大臣が『アメリカをずっと置いておくつもりはない』と言っている。米国兵の犯罪をイラク側が裁判すること、これは最後まで譲らなかった。
それで米国は出て行った


岩上「治外法権を認めさせるというのは、占領する上で重要な手段なんですね。
日本の場合は、日米地位協定によって今に至るまで米兵の治外法権が認められている」

孫崎「私は普天間問題をやっているときにドイツのことも勉強するべきだったと悔やんでいる。敗戦国ドイツにも米軍が駐留している」

孫崎「ドイツでは、自分の国の法律に従わせることになっている。
ドイツの利益が、駐留米軍がいることの利益より大きいとみたときには、撤兵を主張できる」

孫崎「沖縄に当てはめれば、普天間に米軍がいることの利益より、沖縄県民が受ける被害が大きいと撤兵を主張できた

岩上「そういうことが条約に書き込んであれば、日本も撤兵を主張できた」

孫崎「書き込んでないとしても、同盟国同士はこの原則でやれるのではないか。ドイツと同じ形で攻めることはできたはず。当時は勉強不足でできなかった」

孫崎「日本の占領体制は、世界的にみても異例なんです」

岩上「子ブッシュが小泉首相に、こういうことがどうして他の国とできないのか、と話したとされますね。日本のような占領属国モデル」

孫崎「日本モデルがなぜイラクでできないのか、とも言われた」

岩上「治外法権のことも大きかったし、あるいはイラク人の独立に対する気概が違っていたんでしょうね」

孫崎「ドイツと日本が違うのは、敗戦後、日本政府はなくならなかったが、アメリカの言うことをそのまま受けいれる前提で、存続した
ドイツは国がなくなった。4つの占領地区に対応する政府がなかった
そこから独自に国づくりを考え、考えた人たちが政権をとった」

孫崎「イスラム社会でも最近革命が起きた。
2、3年前、米国務省がアラブ社会の若者を呼んで、二つのことを教えている。一つは革命を起こすためにツイッターがどう利用できるか。
そしてツイッターをやりながら社会革命を起こすこと

孫崎「エジプトの政権も崩壊させられたときも、民衆がコントロールする社会を作ることで、アメリカの利害には反している状態だった。
しかし今、軍事政権がコントロールしている状況をみれば、革命のようなものを起こして米国には都合がよかった

孫崎「シリアのアサド政権を潰さないといけないのは、シリア経由でパレスチナへの支援が、お金であれ武器であれ、運ばれる。イスラエルにすればこの拠点をつぶせば安泰

孫崎「イラクも同じ。ヨルダンにつながるのがイラクであり、シリアなんです。この政権が反米的、反イスラエル的なのは困る。それで、ひっくり返そうとしている」

孫崎「私がモスクワの大使館にいたとき、79年のオリンピックには西側が参加しなかった。
国威が落ちる
。世界から排除された政権になった。
今回はソチ五輪の開催中の政変。
ロシアはウクライナの政変に対応したら、ソチ五輪が吹っ飛びますね」

岩上「オリンピック開催がすごいステータスになってしまっている。すごい世界的なパーティのさなか、プーチンはテリトリーが侵食されることをこらえなければならなかった」

孫崎「予兆はあった。オバマや西側の首脳はソチの開会式に行っていない。プーチンがゲイの人権を認めない問題というのは関係ない。
今からみると、ウクライナのことだった。プーチンは歯ぎしりして政変を見ていただろう」

孫崎「そういうことを安倍首相は全く知らない(笑)」

岩上「安倍さんは知らないで行ったんですか?(笑)」

孫崎「起こっていることがわからないから平気で行ける(笑)」

岩上「森元首相の『真央ちゃん転んだ』発言は深謀遠慮、外交的目くらましなんじゃないでしょうか?(笑)」

孫崎「岩上さんは、森さんと安倍さんの強烈な支持者だということがわかりました(笑)」

岩上「ということは、外務省もぼんやりしてたのですか?」

孫崎「私は、独立を目指す国の外務省として、日本の外務省は死に体だと思っています」

孫崎「イラク戦争で説明したらわかる。イラク戦争で日本は自衛隊を派遣します。
大量破壊兵器がない。アルカイダとの結びつきがない。こんなのは情報を集めればわかる。
ドイツ、フランス、カナダが参戦しない


孫崎「もし外務省がその情報を小泉さんに上げたら、『よけいなことを言うな』ということになる。こういうことなんです。
アメリカ追随を基本原則にしたときに、全ての情報活動はやめるんです」

孫崎「外務省は変わったなと思ったのは。昔、柳谷謙介という外務次官がいた。
われわれは政治家とは違う専門家であると、自分の信念を貫く自負があった。彼は懐にいつも辞表をしのばせていた。1980年くらいの外務次官です」

孫崎「今を見ると、外交官僚から転じた小松一郎内閣法制局長官。『首相の言うことをやります』と。
彼は安倍首相の『番犬』というのはおかしい。ただの『犬』

孫崎「もう一人IAEAの事務局長の天野之弥氏。彼も事務局長に立候補したとき、『アメリカの言われる通りにすべてやります』と言っている」

孫崎「日本の高級官僚に、自分が物事を判断し、その判断を貫く、という考え方がなくなった。
国家であれば強いアメリカ、国内であれば力の強い首相、これの言われた通りにする。
これが実は『小説外務省』につながっていくんです」

岩上「外務省の元国際情報局長の岡崎久彦さん、孫崎先生の先輩ですけれども、アングロサクソンについていけばいいんだ、というのが持論。今では安倍総理の外交のご意見番ということになっていますよね」

孫崎「なっていると言ってました?」

岩上「日経新聞に大きな写真が出ました。金美齢さんのオフィスで、安倍総理のお仲間が集まって寿司をつまんでいる。隣に百田さんがいて」

孫崎「すごい写真がでましたね」

岩上「あの記事で安倍人脈図が詳しく描かれていました。
安倍人脈の中には『南京虐殺がなかった』とか『従軍慰安婦がでっち上げだ』とかいう、歴史修正主義的な極右がいる。その一方、米国従属の一派がある。その中で岡崎さんが外交指南役ということになっています」

孫崎「あれは日経が出したの? よくあんなものを出して」

岩上「批判するつもりがなかったのかもしれない。あれを出しても、何も起こらないと思っていたのでは。誰もぐらつかないと思っていますよ、たぶん」

孫崎「本題のウクライナの話に戻ると、重要なポイントは、ロシアは核大国だということ。
アメリカは基本的にはロシアとは戦争ができない関係になっている。核戦争は起こせない。
その他の地域においても基本的に合意がないと成立しない

孫崎「ソ連崩壊・冷戦終結期の1993年くらいにウズベキスタンにいたときにニア・ボーダー論というのがあった。旧ソ連の勢力圏には手をつけるなということをアメリカものんだと思います。
下手に手をつけると、核戦争になるから」

孫崎「ところが今、手をつけるようになってきた

岩上「孫崎先生もそう思いますか。同感ですが、そうした見方をする人が少ない。ロシアが攻め込まれているのは明らかなのに」

孫崎「要するに、国際情勢は長いスパンを見ないとわからない。
断片だけ見たら、逆になってしまう。
選挙で選ばれた人をひっくり返したんだから。
ロシアが侵略者の扱いになっている。オリンピックという行動の出来ない時期を狙って
ロシア人は反発します」

孫崎「ロシアの実力者は歴代ウクライナを押さえていた。フルシチョフもブルジネフも。ある意味でウクライナはロシアのテリトリーだったんです。
クリミアをウクライナに編入したのは、当時第一書記だったフルシチョフ」

孫崎「欧州もアメリカもクリミアのことを真剣に考えていない。
問題はこれからウクライナの分割がどうなるか。オデッサにはロシア系がいる。この辺がどうなるかが、今外交の一番大きな駆け引きになっている」

孫崎「そういう過去の歴史はアメリカも欧州も知っている。
ロシアへの制裁措置で、自分の利益に害が出るようなことはしない
アメリカは国全体として、ロシアに対し、ビザ発給停止や経済的封じ込めをしていない」

岩上「あと大きいのは天然ガスですね。ウクライナは天然ガスを供給しているロシアに対しガス代を滞納している。ウクライナを通じる欧州へのガス供給をとめかねない」

孫崎「シリア、イラク、イラン、北朝鮮、これらの関連でロシアが反対側に回ったら大変なことになるという認識がアメリカにはある」

岩上「なのに何でこんな冒険主義的なやり方で、ニア・ボーダーに手を出したのか?」

孫崎「オバマ政権下では、グランドデザインを考えられない人が、バラバラに力をふるっている
軍は勝手に軍で動くという状態。
対日政策も、軍産複合体の代理人のアーミテージみたいな人物が勝手にやっている」

岩上「しかし、ヒラリー声明も衝撃的でした。クリミアに進出したプーチンはヒットラーに等しいというむちゃくちゃなことを言っている。日本のメディアではヒラリーに同調する人が多い」

岩上「直近の第一段階で起きた事実として、アグレッシヴに関与するヌーランド国務次官補の存在がある。当初、キエフでのデモに平和的に参加する人たちもいた。政権への不満、生活向上の要求があったのだろうとは思います」

岩上「そこへ政党政治家が入る。さらに極右、右派が力を増し、ネオナチのシンボルを掲げる集団も加わった。
攻防戦が激しくなると、覆面、火炎瓶で武装した人が増えた。反ユダヤ主義も公然と口にしている。こういう人たちとヌーランドが写っている写真が出ている」

岩上「さらに、米大統領候補だったジョン・マケイン上院議員が『オレンジ革命』というNGOのトップ。マケインが右派セクターと会っている写真が出ている。
西側と気脈を通じた極右の存在がキーなんです」

孫崎「マケインというのは、キッシンジャーのように大局を見る人とは違う」

岩上「元軍人ですね。ベトナムで捕虜になって耐えたというのが売りの人。
アメリカの攻撃的な保守は、核の均衡を壊してまでロシアに対する最終勝利を望んでいるのではないか

孫崎「それはありえない、と言うかそういう戦略はとれない。キッシンジャー、マクナマラ、こういう人たちは、いくら米国が攻めても、ロシア、ソ連は危なくなったら、最後には核攻撃に踏みきることを理解していた

岩上「この理解の差は世代差ですか」

孫崎「現在、アメリカの大きな問題は、安全保障政策を立案しているシンクタンクが軍需産業から金をもらっていること。
だから彼らの理念は緊張を造り出していく理念

孫崎「それに対して、理性的にアメリカの利益を確保していく立場の論者は、安全保障分野に育たなくなっている

孫崎「キッシンジャーは大学教授。シンクタンクからはちゃんとした論客が出てこない。
今、アメリカの中枢に学者が入っていない。
シンクタンク経由になると、怖いグループになってしまう。日本のパイプになっているのも、みんなシンクタンク」

孫崎「今、安倍政権、興味深い状況。
安倍政権にはアメリカ追従と、戦後体制を変えたいグループの二つがある。これは軍事では一致していた。
これまで歴史の問題を出してこなかった。
ところが今は股裂になっている」

孫崎「安倍さん個人の周辺に集まって大きくなった極右を取り除けない。
菅さんが軌道修正できるかわからない。
話は違うが、あるヘッジファンドの大御所が来た。今回は安倍政権がもつかどうか聞きに来た。
日本の新聞は報じないから海外の安倍批判がわかっていない」

孫崎「安倍政権をいかにマスコミが作ったか、虚像を作った原因は日米関係
どの首相のパターンからも外れた、『絆ができた』といった別格の扱いを読売がし、日米関係が良好なのだと報道した。
現実は米国から冷たい扱いを受けている」

孫崎「オバマは安倍政権に最初からクエスチョンマークをもっています。週刊ポストが安倍さんとハッカビーと山口組の金庫番との写真を出した。
ハッカビーはマケインとも通じる南部の極端な福音主義者。
オバマからするとマケインみたいなのは政敵なんですよ」

孫崎「それから、アメリカでは政治家がマフィアとつながったら終わり。そうした情報が出るというのは、黄色信号。
オバマは最初から安倍さんを猜疑心で見ていると思うんですね」

孫崎「従軍慰安婦の問題に移ると、ニューヨーク・タイムズが日本は河野談話と村山談話を守らなくなると書いたが、政府は守るとした。
タイムズは主張を取り下げた。結果、現実的には政府はタガがはめられた

岩上「守らざるをえませんよ、と」

孫崎「だから、これから菅さんのようにアメリカとの関係をちゃんとやっていかなければ、というグループと、百田尚樹さんのようなグループとの葛藤がものすごく出てきますよ」

岩上「もう一度本題に戻して、ロシア、ウクライナの情勢を含めた今後はどうなりますか?」

孫崎「まずウクライナの経済がおかしくなり、社会全体が不安になります。
ロシアとの経済関係があって、今までのウクライナ経済が成り立っていた。
いきなり西欧の仲間入りができるわけではない

孫崎「ガス料金をロシアへ支払わなくなると、供給はストップ
それから、すでに財政危機で、余剰金のようなもので2、3ヶ月はもつが、ロシア系の多い東部や南部からロシアと一体となったほうがいいという話が出る」

岩上「確固たる民族的アイデンティティがない状況で、民族浄化が起きないか、怖い
ウクライナ西部は歴史的汚点として、反ユダヤ主義の揺籃の地でもあった。
この記憶があるところにネオナチが堂々と現れてきた

孫崎「経済社会の混乱が、そういうものの温床となる。収入の水準が月100ドルを割るということも。ロシアが経済支援を申し出るかもしれない。
今、西側が言っている言葉『ディ・エスカレーション』は、今後起こりうることを防ごうということ」

岩上「ウクライナの新政権はウクライナ語を公用語とし、ロシア語の使用を禁じる、措置をとった。ロシア語を日常言語にする人が不利益を被る。『ディ・エスカレーション』は西側ができることじゃないと思うんです」

岩上「他方、ロシアもウクライナ東部のハリコフやドネツクなどの大都市を回廊のように押さえないと、クリミアを維持し続けることはできないのでは」

孫崎「マケインのような外側から煽るだけの人は、ロシアやウクライナが混乱していていいと思っている」

岩上「これからは、『核の均衡』を越える通常兵器を注視していくべきと言っていました。そうすると『核の均衡』を崩せると本気で思いはじめる人が出てくるのかもしれない」

孫崎「『核の均衡』を意味する『相互確証破壊戦略』というのは、よく勉強しなきゃわからない。しっかり勉強した人がいないと、その価値がわからない」

岩上「マケインはスタローンが演じた『ランボー』のようなものですからね」

孫崎「言うべきではないが、捕虜経験が長い人は、どこか変わるんですよね。そういう人が中枢にいるべきでない。しかし、彼が共和党の安全保障の旗頭です」

岩上「この状態は続くと思いますか?」

孫崎「終わらない。ウクライナの社会、経済情勢が悪くなり、東と南部の旧ロシア系がどう動くか

岩上「混乱の中、ロシアの介入、それに対抗してNATOが介入しますか?」

孫崎「NATOは入れない。ロシアは入る

岩上「ウクライナの分割はありうる?」

孫崎「それに対抗する動きもある」

岩上「戦争はありますか?」

孫崎「それはないと思う。ぐしゃぐしゃを好む人がいる
オリンピックが重要な行事になっただけに、東京オリンピックが利用されるかもしれない。
オリンピックが政治を動かす一つのチャンスとなっている」

孫崎「まあでも、岩上さんが尊敬する石川県の森さんが会長ですから、大丈夫でしょう(笑)」

岩上「先生の故郷の大政治家じゃないですか(笑)」

 ーーーーーーーーーーーーーー
 ウクライナ政変関係


・・・・・・・・
・・・・・・・・・
抜粋終わり



もう少し本当の意味での「民主主義」を大事しないとね。


似非の民主主義を「将軍様」のように崇めても、より良い生活はできないですよ。マトモにいきれませんよ。


お読みくださりありがとうございます。
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