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故国の滅亡を伍子胥は生きてみれませんでしたが、私たちは生きてこの魔境カルト日本の滅亡を見ます。
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守屋洋訳 諸葛孔明の兵法 {徳間書店} より 


{後応}

用兵の巧拙

一口に用兵といっても、その巧拙に応じて、次の三段階に分けることができる。
  1. 最善の用兵 困難を未然に防ぎ、事態を大事にいたらぬうちに解決する。先を読んで手を打ち、刑罰の規定はあっても、それを実際に適用する必要がないようにとりはこぶ。このような用兵こそ最善である。
  2. 中程度の用兵 敵と相対して布陣し、軍馬を走らせ、強弩を射かけ、じりじりと敵軍に肉薄する。この段階で、敵は味方の勢いに恐れをなして、にわかに浮き足立つ。これは中程度の用兵である。
  3. 最低の用兵 将帥がみずから陣頭にたって敵の矢をあび、目先の勝ち負けに血まなこになる。敵味方とも多数の死傷者を出しながら、勝敗の帰趨は定かでない。これは最低の用兵である。
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守屋洋訳 諸葛孔明の兵法 {徳間書店} より 

{三賓}

幕僚の編成 

軍団の編成にさいしては、かならず幕僚をおいて作戦計画の得失を検討させ、将帥の参考としなければ、ならない。
幕僚には、高級、中級、下級の別を設ける。
  1. よどみなく弁じたて、奇謀湧くがごとくにして知らざることがなく、多芸多才の人物がいる。このような人物は万人のあこがれの的である。招いて高級幕僚とするがよい。
  2. 熊や虎のように荒々しく、岩をかけ登る猿のようにすばしっこく、鉄石のように強く、名剣龍泉のように切れ味が鋭い人物がいる。このような人物は一方の雄であるといえる。招いて中級幕僚とするがよい。
  3. おしゃべりでたまにまともなことも言うが、格別の技能も才能もない。これは並みの人物である。招いて下級幕僚とするがよい。
守屋洋訳 諸葛孔明の兵法 {徳間書店} より 

{仮権}

将帥の権限

将帥というのは、部下将兵の生命をあずかり、勝敗の鍵を握り、国の運命を左右する重要な存在である。
もし君主が将帥の任命にさいして賞罰の権限を委譲しなければどうなるか。それはちょうど猿の手をしばりあげて早く木に登れといい、離ロウの目をにかわで閉じ合わせて青と黄を見分けよというようなものである。軍の統率など、どだいムリな相談なのだ。
かりに、賞罰の権限が権臣の手に移って将帥の手にないのなら、部下はみずからの利益のままに行動し、本気で戦おうとしなくなる。そうなれば、将帥がイイン呂尚のごとき智謀をそなえて、韓信白起のごとき武勇の持主であったとしても、自分の身を守ることさえおぼつかなくなる。 
孫武が、
「将帥は、ひとたび出陣すれば、君命といえども無視することがある」
また、漢代の将軍 周亜夫が、
「軍中では将軍の令を聞き、天子の詔を聞かず」
と語ったのは、いずれもこのことをいったのである。
守屋洋訳 諸葛孔明の兵法 {徳間書店} より 

{哀死}

部下に対する態度

 むかしのすぐれた将帥は、部下に対して、わが子に対するごとくに振舞った。
 すなわち、困難に直面するとみずから先頭に立って打開にあたり、かりに功績を立てても、それを部下に譲った。負傷者は心からいたわり、戦没者はねんごろに葬った。飢えたる者にはみずからの食をさいて与え、寒さにこごえるものには着衣を脱いで与えた。智者は礼をもって召しかかえ、勇者には賞をもってその功に報いた。
 将帥たる者がこのような態度で部下に臨むのなら、向かうところ敵なしである。
守屋洋訳 諸葛孔明の兵法 {徳間書店} より 

{勝敗}

勝利と敗北の分かれ目

必勝の鍵。
  1. 有能な人材が登用され、無能な人間が退けられる。
  2. 兵卒がのびのびと振舞い、よろこんで将帥の命令に従う。
  3. 兵卒が闘志満々、たがいも威武を輝かすことを願っている。
  4. 軍中に信賞必罰の威令が行きわたっている。
必敗の鍵
  1. 兵卒が軍務を怠り、ささいなことにもすぐ浮き足立つ。
  2. 兵卒が礼儀に欠け、将帥を信頼せず、平気で軍法を破る。
  3. むやみに敵を恐れ、その反面、計算高く、利益に敏感である。
  4. やたらに運、不運を口にし、神がかり的な言辞に一喜一憂する。
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