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故国の滅亡を伍子胥は生きてみれませんでしたが、私たちは生きてこの魔境カルト日本の滅亡を見ます。
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荘子 則陽編


http://www4.tokai.or.jp/kyuguan/17-29soujihtml.html 

上記文抜粋
・・・・・・・
魏の恵王が斉の威王と盟約を結んだが、威王がこれにそむいた。

怒った恵王は刺客をやり、威王を殺させようとした。

すると公孫桁(こうそんえん・魏の将軍)がこれを恥ずべきこととし

「殿様は大国の君主であられる。それなのに卑しい男がするような事をして仇をうとうとされています。私が武装兵二十万をお受けして、斉の国に攻め込み、その人民どもを捕虜にして牛馬の家畜を没収し、威王を煩悶させて熱病に掛からせ、国を取ってしまいます。また将軍の田忌(でんき)が都を出て逃げ出そうものなら、背後に打撃を加えて背骨を打ち砕いてしまいましょう」

といった。

 季子(きし・魏の臣で策士)がこれを聞くと、これを恥ずべきこととして
「七、八十尺もある高い城を築いていて、もう七割方も出来ているのに、それをまた戦争で打ち壊すのですか。これは工事人夫の囚人たちを苦しめることです。いまや戦争の無い平和が七年も続いていますが、これこそ殿様が王者になるための基礎です。戦争を勧める公孫桁は世を乱す人間です。お聞き入れになってはいけません」
といった。

 華氏(かし・魏の臣)がこれを聞き、同じく恥ずべきこととして
「討伐論者の公孫桁は世を乱す人間ですが、また討つなと主張する季子も世を乱す人間です。さらに討伐論者も討伐反対論者もともに世を乱す人間と言う私もまた世を乱す人間です」
と言う。
魏王は「それでは、どうしたらよかろうか」と訪ねた。華氏は「殿様はただ道を求められたら良いのです」と答えた。

 恵氏がそのことを聞くと賢者の戴晋人(たいしんじん・梁の賢者)に会うことを勧めてお目通りさせた。
戴晋人は言う

「蝸牛という虫を殿様はご存知ですか」

「知っている」

「蝸牛の頭の左に角があって触氏といい、また右にも同じ角があって蛮氏の国があります。ある時、互いに土地を争って戦い、死骸は数万も横たわり、勝った方は敗軍を追いかけ半月かかってやっと引き返してきました。」

「それはでたらめの話だろう」
と王。

「いえ、いえ。この話を王のために本当のこととして話をして見ましょう。王はこの四方上下の宇宙の広がりを有限なものとお考えになりますか」

「それはきわまりの無いものだ」。

 戴晋人が言う
「それではこの無限の空間に遊ぶとして、改めて地上の国々眺めれば、それらは有るか無いかのごく小さいものではありませんか」。

「その通りだ」
と王はうなずく。

 戴晋人はいう
「このちっぽけな範囲の中に魏の国があり、魏の国の中に大梁の都があり、祖の中に王様が居られるのです。王様と蝸牛の蛮氏とで、果たして違いが有りましょうか」

魏王
「たしかに違いは無い」
と答えた。

 客人の戴晋人が退出すると、魏王はがっかりして、何か大切なものを失ったような風だった。恵子がお目通りすると、魏王は言った
「あの客人は大人だ。聖人でも彼にかなわないだろう」。
恵子が答えた
「笛を吹いたとなると、大きな音が響きますが、剣の握りの環の穴を吹いたのでは鈍い音がするだけです。聖人の堯や舜は人々が誉めそやしますが、その堯や舜の事を戴晋人の前で口にするのは、たとえれば環の穴を吹いたようなものです」。




・・・・・・・
・・・・・・
抜粋終わり



面白いです。

お読みくださりありがとうございます。
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